弁護士みつむらの法律blog

大阪の弁護士です。ネット関連の法律問題(誹謗中傷・知的財産等)や労働関係の法律問題についての発信をしています。

カテゴリ: 暮らしの情報

こんにちは!
弁護士の満村です。

今回は、「誹謗中傷、どこからが違法?」シリーズの最終記事になります。

ネット上のなりすましというのは案外被害が多く見受けられます。

例えば、Twitterのアカウントを乗っ取ったり、勝手に同姓同名のアカウントを作って、本人の評価を低下させるような投稿をするというものです。

これは、僕の実体験ですが、
いきなり学生時代の知人女性からLINEで連絡があり、そんなに親しくなかったのに何事?と思って内容を見れば「コンビニでアマゾンのギフト券を買ってください」でした。。
 
では、このなりすましはどういう基準で違法性が判断されるかというと、これまでの記事に書いた通りの名誉棄損やプライバシー侵害の要件を充足しているかによります
ただ、AさんがBさんに「ばか、あほ」と言うのではなく、Bさんに成りすます誰かがBさんとして「僕はばかでーす」と言うことによってBさんの評価を落とすと言うことなので、考えるポイントが少し異なってきます。裁判例と共に説明します。

また、ハッキング等によりアウントを乗っ取った場合はこれらに加えて不正アクセス禁止法違反となり、警察に捕まることがあります。

では、例によってまた裁判例を見ていきましょう。


①女性タレントの人格乗っ取り事案
 原告である元女性タレントの名前でTwitterのアカウントを作り、現役当時にテレビ出演をしていた際の原告の画像を張り付けて以下のような卑猥な発言を繰り返したという事案(東京地判平成28年10月19日)。
 
「最近生活に刺激がなくてテンションが下がっていたんだけど二日前からパンティをはくのをやめたの。そしたらテンションがどんどん上がってきちゃって」
 
「私はこの番組に出たことでセフレ、すなわちセックスフレンドが3人から30人に増えたことかしら。」

判決 
本件各記事は、その内容の多くが卑わいなものであって、しかも、原告の画像を張り付けるなどすることにより、一般通常人を基準として、これらの各記事が原告自身の手で投稿された(いわゆるツイートされた)と受け止められるものであり、
その結果、原告がこのような卑わいな発言をする人物であるとして、原告の社会的信用を損なうものであることが認められる、として、名誉棄損を認めました。

コメント
なりすまし事例での一番の論点は、
「その投稿が人の社会的評価を低下させるか」というよりも、
「一般人からして、その投稿主が本人であると認識されるか」ということになります。
多くの裁判例でもそこが一大争点になっています。

例えば、安倍首相の名前と顔写真を使ってアカウントを作り、
「私、昨日からパンティはいてないのよー」と投稿したところで、それを本当に安倍首相の投稿と思うことはまず無いでしょう。
元女性タレントという肩書があったからこそ、上のような投稿に真実味が出たのです。

②風俗店店長へのなりすまし  
 何者かが、とある風俗店の店長になりすまし、「当店スタッフの言うことだけ信じましょう」、「日本人は韓国人の言いなりになりましょう」、「当店ではMERS感染の心配をする必要はありません、その理由は私がそう言ってるからです」という書き込みを行ったという事案(東京地判平成28年1月25日)。
 
これは文字だけで、顔写真は上げられていない。

判決
本件掲示板への投稿は全て匿名でされており、投稿するに当たってあえて実名を告げる者はいないと考えられるから、
冒頭に「□□の経営者です。」などと名乗っている本件投稿を見て、
それが本物の□□の経営者によって書き込まれたものと信じる者は、少なくとも、こうしたスレッドを閲読する者の間ではほとんどいないこと、
また、上のように自分の店の評価を落とすような投稿をまさか店長がするわけがないだろうと考えられることを考慮して、請求は棄却された。

コメント
その投稿が本人のものか、なりすまし犯のものかを見分けるときには、やはり、その人がそういう投稿をしそうなのか、という点が重視されていますね。

③エッチなお姉さんに勝手にされていた事案

 何者かが、被告の運営する出会い系サイトに原告の女性を男性との出会いを求める女性として掲載し、このサイトを閲覧した複数の男性に原告の電話番号を教えたため、それらの男性から原告が電話を受けるなどした事案(東京地判平成18年8月30日)。
 年齢・居住地や「お姉系、とにかくエッチです」などと掲載されていた。
 被告は、原告から最初に電子メールで本件情報の削除要請を受けた2日後に本件情報を削除しているが、原告は、被告には削除要請を受けてすぐに削除すべき義務があったと主張し慰謝料を請求した。


 判決
原告による最初の削除要請から削除までに2日間が経過したことが長期に過ぎるということはできず、被告が本件情報を削除する義務を懈怠したということはできない、とされた。

コメント
自分の情報があらぬ形で掲載されてしまえば、かなりの精神的苦痛を受けてしまうでしょう。

この場合、まずは迅速にサイト運営者に削除要請をするべきですが、運営者が事実を確認したにもかかわらず、必要な対応を取らない場合には慰謝料を支払う義務がありうることがこの裁判例から分かります。
ただ、事実確認に要する時間や、技術上の問題も考慮され、さすがにすぐに削除しないことをもって慰謝料が発生することはないと判断されていますね。

④最後に

「誹謗中傷、どこからが違法?」シリーズいかがでしたでしょうか。

「こういう事案が裁判になっているのか」「こういう判断がされているのか」など、
役に立つ情報が提供できたのであれば幸いです。

また、法律相談は、mitsumura@vflaw.netまで、お願い致します!

ではでは!

こんにちは!
弁護士の満村です。


前回の記事で、ネット上の名誉棄損・侮辱行為がどの程度ならアウトなのか(損害賠償請求が認められてしまうか)ということを書きました。

今回は、この記事を踏まえて、ネット上での色々な発言を想定して、
個人的にアウト・セーフを検討していこうと思います。


①「芸能人Wが不倫しまくってるらしい。おれもトイレ入っていくの見たわ(電子掲示板にて)


タイムリーな話題について、これはどうでしょう。

まず、世間からの好感度を売りにしている芸能人の不倫を摘示するのは、明らかにその人の社会的評価を低下させますよね。

しかし、名誉棄損は、
「公共の利害に関する事実」を
「公益目的」で摘示する場合には例外的に違法性が無いとされる
んでしたよね。

芸能人のスキャンダルはどうでしょう。

たしかに「影響力のある人が不道徳な不倫をやっているということは国民にとって重大事であり、公共性がある」という意見もあるかもしれません。

ただ、基本的には芸能人は公人ではなく、言うなれば「有名な私人」なので、その人の私生活がだめだめでも、これを暴くことが公共性を持つということはないと考えるのが主流でしょう。

よって、違法性が無いとされることはなく、名誉棄損が成立します。


ただし、一般の人が芸能人のスキャンダルに触れるのは、週刊誌等にすっぱ抜かれてその事実が公になった後ですよね。
日本中誰でも知っているような事実を、さらに言ったところで、その人の社会的評価の低下はかなり限定的です。

結局のところ、我々が週刊誌のすっぱ抜いた事実について発言する限りでは、あまりにひどいことや嘘を言わない限りは、普通は名誉毀損にはならないでしょうね。

②「アンパンマソっていう奴さっきからうるさいけど、こいつ人殺したことあるんだぞ。(電子掲示板にて)」

「こいつ人殺したことある。」は、特に嘘であれば、かなり悪質な名誉棄損ですよね。
実際のところ本当であっても、証拠を握っているわけでもない状況ではデマと扱われるでしょう。

ただ、ここで問題が、「アンパンマソ」という名前の人がいるわけはありません。
ネット上のハンドルネーム、アカウント名と言うことですよね。

ってことは、実在の被害者がいない以上、名誉棄損は成立しえないでしょうか。

この「アンパンマソ」というアカウントが有名で、中の人の本名をけっこうみんな知っているというのであれば、被害者は特定されますから、名誉棄損は中の人について成立します。

また、例えば、中の人が「アンパンマソ」という名前を使ってブログなどしていて、
ネット上ではそれなりの有名人であれば、本名を知られてなくても名誉棄損が認められることがあります。
ネットにおけるその人の活動に社会的評価が十分認められるので保護しないといけないということですね。

③「A子は性格ブス。人格破綻者。(Twitter上にて)」


これは一方的な暴言のようですが、名誉棄損になるのでしょうか。

前回の記事では、発言者の単なる評価に過ぎない暴言については、名誉棄損は認められにくく、それがあまりに悪質なものであるときに侮辱行為として損害賠償請求が認められると説明したと思います。

上の発言は何も具体的な事実を摘示するものではないですが、
他方で、「あほ」「くそ」とかと比べれば、「A子さんは性格がとても悪いのだろう」と周りに思わせるのに十分な発言のようにも思われます。

で、これを名誉棄損とした裁判例はあります。

しかし、やはり、単なる一方的な評価ではないかと批判もあるところです。

むしろ、原理原則からすれば、名誉棄損とするには少々無理があると思います。

ただし、これが執拗に繰り返されていれば、名誉毀損にも侮辱行為にもなり得ますね。

④「X店の出しているメシは本当にまずい。(飲食店口コミサイトにて)」

食べログとかのサイトで、店の味をマイナスに評価すると名誉棄損となってしまうのでしょうか。

「まずい」とか「高い」というのは事実ともとれますが、基本的には個人の評価と考えられます。

そして、飲食店にとって、ご飯がまずいというのは評価低下につながりますが、常識的な批評であれば本来飲食店は批評を受けて然るべき立場ですし、問題ないでしょう。


また、少々表現が酷くて名誉毀損になりそうでも、公共性が認められるかという問題があります。

実際食べに行った人の飲食店の味の評価をネット上で確認できるのは非常にありがたいことですよね。

そういうことで、「店舗の関係者、周辺に在住する顧客等との間では(マイナスの口コミは)公共の利害に関するもの」とした裁判例があります。

常識的な範囲内で店の味をマイナスに評価することは名誉棄損にならないでしょう。


以上、飲食店のマイナスの口コミは名誉棄損にならないケースがほとんどと言えますが、
表現には気を付けた方がいいです。

「あまりよろしくないですね」「おいしくはないかな」
くらいなら大丈夫ですが、

「くそまずい!やめてしまえ!」「げろの味がする」
なんてものは批評の域を出た発言であり、名誉棄損になる可能性は上がるでしょう。

また、嘘で、「ゴキブリが入っていた」
なんてものもアウトです。

⑤「X社の社長はコロナにかかったらしい(Twitterにて)」

実際にこのような情報が流され(嘘なのに)、会社の取引先が撤退していき、業績が悪化した社長の話をテレビで見ました。

このような実害が現に発生していますし、明らかに社会的評価を下げるものと言えます。

デマであれば完全にアウトですし、感染した確証もなく発言するのであれば、本当のことかもしれなくてもアウトでしょう。

ただ、本当のことである確証がある場合はどうでしょう。

これもまた、公共性の問題になりますが、Twitterで、社長と直接の関係のない不特定多数に感染の事実を発信することには公益的な意義はないので、公共性は否定されるのではないかと思います。

⑥まとめ

以上、いかがでしたでしょうか。

前回の記事と併せて見ていただければ大体感覚は掴んでいただけたのではないかなと思います。

くれぐれも誹謗中傷の加害者にならないように気をつけながらも、ネットライフを楽しんでいただけたらと思います!

また、現在、ネットでの誹謗中傷の被害に遭われた方の相談を受けておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
mitsumura@vflaw.net

こんにちは!弁護士の満村です。

今回のテーマは、ネット上での発言はどんなものだと違法になっちゃうの!?ということです。


そういえば、先日、某チェーン店で食事したときに、他店舗と比べて食事も空調も悪くて、鬱憤晴らしにネットで発信したい気持ちにかられたのですが、
これ店名とか明らかにして発信したらだいぶやばいよなあ・・・と思ってました笑

ただこの辺のやばい基準がよくわからないですよね。


逆に基準が分かっていれば、萎縮せず、ネット上でも自由な発信を続けられると思います。
もちろん悪口などを推奨するわけではないですよ!

と、前置きしたところで見ていきましょう。

今回は、名誉棄損についての一般的な解説をした上で、いろんな事案を紹介していきます。



名誉棄損(侮辱行為)の成立要件


ネット上の誹謗中傷で損害賠償請求(不法行為責任)が認められるものの代表格が名誉棄損です。

そもそも、名誉棄損というのがどういうものか、皆さんご存じですか?

簡単に言うと、その人の社会における評価を低下させる言動をすることとされています。

なので、「個人的に傷ついた!」と言うだけでは名誉棄損には当たりません。

例えば、「Xさんは散々不倫をしまくっている」というのをネット上で書き込めば、不特定多数の人がXさんが不倫をたくさんしていることを認識し、Xさんの評判は下がりますから、名誉棄損が成立します。


ちなみに、人の評価を下げる発言でも、社会的に有用な発言は表現の自由の保護下にあります。

典型的なのが政治家の不正とかですね。

公的なことでも、事実無根であったり、あまりにも度が過ぎて表現としての保護に値しないなども考慮されます。

では、「個人的に傷ついた!」という場合には、全く損害賠償の対象とならないかと言うとそうではなく、侮辱行為として不法行為責任を負う可能性があります。

ただし、単なる不快感では認められず、主観的名誉感情が害されたという必要があり、
判例では、「侮辱行為の違法性が強度で、社会通念上許容される限度を超え」るような言動をした場合にのみ不法行為責任が認められます(最3小判平成22年4月13日)。


では、それぞれの要件を簡潔にまとめると以下の通りです。

・名誉棄損
①社会的評価を低下させるおれのある発言、書込みがなされたこと

②違法性阻却事由をうかがわせる事情の存在 (これらを全て充たすこと) 
 ア 公共の利害に関する事実であること 
 イ 公益を図る目的でなされたこと
 ウ 内容が重要な部分において真実であること
 エ 論評としての域を逸脱したものでないこと

・侮辱行為
名誉感情を害する強度の侮辱的発言、書込みがなされたこと


まあ、なかなか難しいですよね笑

例えば、「ばか」「あほ」「DQN」「きちがい」などは一方的な意見と言えますから、なかなか人の社会的評価を低下させることにはつながりにくく、名誉棄損の成立も難しいことが多いと思います。

ただし、これが執拗に繰り返されるなど悪質であれば侮辱行為として損害賠償請求が認められることがあるでしょう。


他方で、「Xさんは不倫をしている」や「あの店は食事に毒を混ぜている」というような事実摘示になると、名誉棄損の成立は比較的認められやすいと言えます。

色んなケースを想定して、上の要件に当てはめてみてください。

次に実際の裁判例を紹介していきたいと思います。

つまらん暴言積み上げ事案 


インターネット掲示板の投稿記事で、原告が勤務する予備校名と原告の姓の後に「くそ」「うんこ」「ゴミ」「死ね」という言葉を,13回,14回と繰り返し書いたという事案(東京地判平成29年1月16日)

判決
名誉棄損かどうかについては、原告の社会的評価を低下させる事実の摘示を伴うことなくなされたものにすぎないから、いずれも、原告の社会的評価を低下させる名誉毀損に該当するものとは認められないとされたものの、
社会通念上許される限度を超えた侮辱行為として原告の名誉感情を害し、違法阻却事由もないとして、原告の請求を認容した。

コメント
しょうもない発言ですが、繰り返し発信されたことで損害賠償が認められました。

この暴言は、13、14回行われたのですが、約5時間くらいの間に行われたにすぎず、長期間執拗に繰り返されたというほどでもありません。

しかし、この回数の執拗さから悪質性が認められたのでしょう。

逆に言うと、突発的に「あいつはあほだ!」と一回投稿したくらいでは損害賠償とまではならないでしょうね。(もちろん推奨はしませんよ)

どっちもどっち事案 


ネット通信サービス上で、A氏が原告に対して、

「あなたの妄想特急の勢いには、ほとほと感服いたします。ご病状が悪化しているのでなければよろしいのですが。」
「精神的文盲というものが存在するのではないかと思い始めた今日この頃です」、
「禁治産者って、裁判起こせないんじゃなかったっけ(笑)?」

などと発言されたことにより、原告が、名誉毀損及び侮辱の被害を受けたと主張した事案(東京地方裁判所判決/平成11年(ワ)第2404号)。

判決
上記発言が原告に対する侮辱的発言であることは認めたものの、
この発言が、原告による発言に誘発されたものであるし、原告は、A氏の発言に対抗する必要かつ十分な反論もできているから、上の発言により原告の社会的評価が低下する危険性は消滅したと認めるのが相当である、として名誉棄損性、侮辱行為性を認めなかった。

実は、原告は「当人の精神構造が異常だと確信させてしまう」、「(A氏)の底知れぬ悪意に反吐が出ます」等の発言をしていた。

コメント
権利侵害的な言論に対しては、まずは言論による対抗がなされるべきという考え方が従来からあり、この考え方を当てはめた事例と言えます。

かなりきわどい表現であっても一時的な罵倒合戦で、一方が少し行き過ぎたというくらいでは「お前も悪い」となるし、ちゃんと反論できているんだから社会的評価も落ちていないという判断がされたということです。

水商売女性ぶったたき事案 


電子掲示板において、水商売の女性である原告に対する

「(原告)の加齢臭が強烈」や
「(原告には)太いのいないけど客の数が多い。(原告の客が多いのは)□□七不思議の一つ」

との記載が原告の名誉感情を害すると主張した事案(東京地方裁判所判決/平成27年(ワ)第27437号)。


判決
「加齢臭が強烈」は、それが侮辱的な表現であるということは認めることができるが,
同投稿はこの記載のみで何ら具体性がないものであるから,これが,原告の人格的価値について言及し,評価するもので,社会通念上許される限度を超える侮辱行為であるとまでは認めがたく,原告の社会的な評価を低下させるものとも認められないとした。
 
また、「太いのいないけど客の数が多い □□七不思議の一つ」との記載は,原告の客の数が多いことを認め,
接客業において原告が優れていることを前提にしているのであり,それを七不思議であると評価したことをもって,これが社会通念上許される限度を超える侮辱行為であるということはできないとした。

コメント
いずれも、言われたくないこと、馬鹿にされていると感じることではありますが、具体的な事実を摘示しているわけでもない抽象的な発言であったり、そこまで大したことのないものだったりするので侮辱行為性は否定されていますね。

ただ、これらが同一人物により執拗に繰り返されている場合には侮辱行為とされる可能性はあるでしょう。

枕営業ばらし事案


電子掲示板上で、ナイトクラブのママである原告が整形又は脂肪吸引をしたとの私生活に関する事実や枕営業を行っていたとの事実が摘示された事案(東京地方裁判所判決/平成27年(ワ)第24311号 ) 。

判決
枕営業に関しては「鬼枕で有名だった」「寝たっていう客何人も知ってる」という表現がなされていたが、これらは原告の社会的評価を低下させるとして名誉棄損と認められ、整形、脂肪吸引については、非公知の他人に知られたくないことを明らかにするものであるとしてプライバシー権の侵害と認められた。

コメント
「ばか」「あほ」とかと違い、「枕営業してる」「何人もの男と寝ている」のような不名誉な事実を摘示する発言については比較的容易に名誉棄損性が認められると言えます。
どこのだれか分からない人の勝手な評価より、「事実」を流布されることの方が社会的評価が下落することは当然と言えますね。
 
さらに、事実無根であればよりアウトですが、事実であっても公益的な事柄でなければアウトとなる可能性は高いでしょう。

ちなみに、プライバシー侵害が出てきましたが、これも権利侵害の一類型です。また、今後の記事でプライバシー侵害は扱う予定です!




また、いま話題になっているトピック(令和2年6月時点)などを織り交ぜて、名誉棄損の成立の有無を考察している記事も併せて紹介します↓



以上、色々と紹介してきましたが、いかがでしたか?

もちろん、人を傷つけるような発言をすることは慎まれるべきです。

しかし、今の風潮的に、マイナスな発言はちょっとしたことでも許されないのではないか、まっとうな批判でも訴えられたらアウトなのではないか、等過度にネット上の表現が萎縮してしまうことを恐れて、このような記事を出しました。

また、今から誹謗中傷と戦おうとされている方の参考にもなれば幸いです。

ではでは!


こんにちは!
コロナの影響も徐々に薄れていき、美術館も開いていたので久々に行ってきました。
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大阪市立美術館です。

 天王寺駅前にあります。

フランスの17世紀〜19世紀にかけての絵画作品の展示なんですけど、すごい綺麗な作品ばかりで満足できました!ということでそこで撮影した絵画を載せますね!
上の絵画は1782年に製作された、エリザベト=ルイーズ・ヴィジェ・ルブランという画家の絵で・・・

って、これって法律的にいいんでしたっけ?
著作権とかそういうのあるんでしょ・・・?
と思われた方のための記事です。笑
最近では、こういうブログでもSNSでも、いろんな写真や動画を乗っけることを誰でもやる時代になっていますから著作権の話は気になっている人は多いんじゃないでしょうか。
では、以下で解説していきます!

 

写真撮影やネット投稿のまずさ

まず、この問題は、①写真撮影した時点と、②それをネットにアップした時点と二つの時点で他人の著作権侵害の可能性があります。

①著作権法では,「印刷,写真,複写,録音,録画その他方法により有形的に再製すること。」を複製と定められていて,絵画を撮影する行為は著作権者の複製権を侵害する行為にあたり,禁止されています。

②また,絵画を撮影した写真をインターネットで送信すると著作権者の公衆送信権を侵害する行為にあたりますので,これも禁止されています。
インターネットの関係では,実際に送信する行為だけでなく,サーバにアップロードして何時でもインターネット上で閲覧することができる状態に置いただけでも著作権侵害となりますので,アップロード自体が禁止されています。
ブログへのアップも公衆送信権侵害になってしまうんですね・・・。

「弁護士がそんなことしていていいのか?」と聞こえてくるような気がしますが、 いやいやちょっと待ってください。
もうちょっと弁解させてください。

私的使用のための複製?

複製権公衆送信権を規定する著作権法には、複製権侵害の例外規定として、私的使用目的での複製を許容する30条があります。

私的に使うのであれば、その限りで自由に撮影して楽しむのはOK!ということなんですね。

もっと詳しく言うと、「私的使用」とは,個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内における使用をいい,私的使用を目的としたものであれば,著作物の種類を問わず,公表されたものか否かをも問わず,その複製が認められます。
「個人的に楽しむために写真にとったりするくらいなら、作品を作った人にそんなに不利益にならないし許してあげようよ」と言うことですね。

あれ?でも、ネットにあげちゃったら私的使用目的じゃなくない??

はい、その通りです。
公衆送信目的の撮影なのでガッツリアウトですね。
では、もう一つ別の弁解をさせてください。。。

著作権の保護期間

著作権には保護される期間が定められており,絵画ですと,創作した方が亡くなられてから50年経過すると著作権法により保護されなくなります。
ですから,創作した方が亡くなられてから50年以上経過した絵画は,著作権法による保護を受けることができない著作物となるのです。(改正により現在では死後70年)
ちなみに映画作品についてなど例外はあります。

これでようやく僕の写真アップ行為が違法でないことが分かりますね・・・。
18世紀の作品なのでまあまさか作者が生きているはずもなく。
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しかし、美術館で撮影が明示的に許可されていない部屋での撮影はやめた方がいいですね。
周りの人の迷惑になりますし、フラッシュで絵画が劣化することもあるらしいので。

ちなみに僕の上げた絵画はこの写真の通り「撮影OK!SNSで共有してね!」という表示のされた部屋のものです笑

流行りの音楽をバックに動画を投稿したら・・・。

おまけですが、何らかの動画の発信をするときにBGMをつけることは多いですよね。
これも問題となることがあるので気をつけてください。

著作権の一つに演奏権というものがあり、音楽作品の公衆へ向けて聞かせる行為は演奏権侵害です。
しかも、既製品であるCDをそのままかけると、レコード会社の原盤権を侵害することにもなってしまうんです。録音、編集などの努力にも権利が認められているのですね。

そうすると、
「他人の曲を自分で歌った動画を投稿する場合」→演奏権侵害
「他人の曲のCDや録音をそのままBGMにした動画を投稿する場合」→演奏権、原盤権侵害
になります。

ただ、YouTubeをはじめとした一部動画配信サービスでは、JASRACなどの著作権管理団体と包括的許諾契約を締結していて、大体の曲の使用はOKになっているようです。
ただ、自分で歌ったりせず、CDをそのままかける場合には、基本的には個別にレコード会社から許諾を取る必要があります。
これをやっていない人は結構多いんじゃないですかね・・・笑

まとめ

以上の通り、著作権法はかなり複雑で、著作物を日々利用して生活していたり、場合によっては他人の著作物を利用して収益したりしている人の中でも、知識をちゃんと備えている人は多くないのではないかと思います。

しかし、人の著作権を侵害すれば損害賠償請求をされる等大変なことになる可能性もあります。
気をつけながら、絵画、映画、音楽などの作品を楽しみたいものですね。
もし、「いやこれは間違っているよ!」というご指摘があればコメントください!
なかなか複雑で難しい分野なのでぜひ議論しましょう!

法律相談は、mitsumura@vflaw.netまで!
 

こんにちは!
皆さまは自動車の事故を目撃したり、自分が被害者になったことはあるでしょうか。
交通事故というのは、いつ自分が加害者にも被害者にもなるかわかりません。
今回は、自動車運転中自分が追突されたらどう動くべきか解説します。

なぜ、追突事故かというと、追突事故は全交通事故件数の半分弱を占めるほど一番よく起こる事故類型なんです!
急な事故に動揺して、適切な対処ができないと、後々損をすることになってしまいかねませんので記事を読んで基本的なことを理解してください。

事故発生時何をするか

事故発生直後は動揺して何をしていいか分からなくなるかもしれませんが以下のことをしてください。

①警察への通報
②保険会社への連絡
③連絡先の交換・証拠集め
④病院での診察
⑤人身事故の申請(負傷時)


では、それぞれなぜしなければならないか説明します。

①→どんなに軽微な事故であっても、警察への通報は法律上の義務で罰則もあるんです!
加害者が通報しない場合は自分で通報しましょう。
また、警察を呼ばないかぎり、事故が起きた事実を証明する『事故証明証』が発行されません。
事故証明証がないと、加害者への損害賠償請求や保険会社の補償が認められなくなる恐れがあります。

②→事故直後のサポートも受け付けている保険会社もありますので、警察に通報した後すぐ連絡すべきです!
弁護士費用特約に入っていれば、事故に関しての弁護士費用を支払ってもらえます。

③→警察が事故現場に到着するまでに、加害者と連絡先の交換を済ませておきましょう。
加害者本人との連絡が必要になる場合もあります。『名前』『住所』『電話番号』は聞いておきましょう。

警察も呼んでない、相手の情報も聞いていない、となると何の補償も受けられなくなりますよ・・・。

④→事故直後、体の異変に気付かなったが、実はむち打ちになっていたということもあります。
交通事故はケガをしているかどうかでその後の対応がかなり変わってきます。

⑤→賠償金の額や事故後の調査(実況見分)の有無、保険の適用範囲、加害者への処罰の有無など、物損事故は多くの面で人身事故に比べて不利です。
警察で物損事故として処理されている場合、診断書を提出して人身事故に切り替えてもらいましょう。


保険会社対応

追突事故の場合、ほとんどが被害者には過失はありません。
そして、こちらに過失がある場合には自分が加入している保険会社に示談交渉を代行してもらえるのですが、過失がない場合には代行してもらえないのです
なぜそんなことになるのでしょうか。
それは、こちらが無過失の場合、被害者は損害賠償責任を負わないので、被害者の加入している保険会社も当然何の責任も負いません。
と、いうことは、その保険会社は事件に利害関係を有しないので、代行するとすれば被害者の代理人として示談交渉をすることになりますが、それは非弁行為として違法になってしまいます。
弁護士以外が人を代理することは基本的に禁止されています(弁護士法72条)。
保険会社も責任を負う場合でないと示談交渉代行はできないのです。

では、追突事故の場合、ある程度自分で保険のことを知らないといけませんね。

まず、自賠責保険は強制加入の保険なので、事故の相手も当然加入しています。
ただ、自賠責保険は人身賠償しか対象としていませんし、傷害の場合の最高額は120万円と決められています。
そこで、物損(車の修理代等)や、120万円を超える人身損害については、相手方から取るか、相手方が任意保険に加入していれば、その保険会社から取るということになります。

ここで重要なのが、 通常、交通事故の慰謝料は保険会社が定める独自の基準で算出されますが、この基準は裁判を起こして請求できる慰謝料の相場よりも、低く設定されているケースがほとんどです。
そのため、弁護士に示談交渉を依頼して適切な慰謝料を請求してもらうことで、ほとんどの場合、示談金を増額できるのです。
また、依頼すれば、弁護士が交渉をしてくれるので、自ら保険会社と煩わしい交渉をする必要が無くなります。

まとめ

ここまで書いた知識があれば基本的に交通事故に適切に対応することができます。
難しい部分は専門家に任せてください。

ある日突然、事故の被害者になってしまった場合、自分でできることはしっかりして、あとは弁護士に任せてしまうのが一番いい選択と言えるのですね!

法律相談は、mitsumura@vflaw.netまで!


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