こんにちは!

以前リストラについて記事を書きましたが、今回は日本におけるリストラの新たな流れについて書きたいと思います。 

黒字リストラって聞いたことありましたか?

黒字リストラ」とは、好業績であっても将来的なリスクを見越して、組織をリストラクチャリング(再構築)することをいいます。

普通、これまでリストラは会社の業績不振による延命措置的な位置づけで行われてきました。

しかし、リストラ=赤字リストラの時代は終わってきているんです。

なぜ今黒字リストラか

2019年、トヨタの豊田章男社長が「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言して話題になりました。

また、経団連の中西会は「新卒一括採用、年功序列、終身雇用がセットになっている日本型雇用システムの見直しを議論すべき」と発言しています。


そして、かつては終身雇用、生涯安泰と言われたような大手企業による早期・希望退職募集のニュースが相次いでいます。
さらには今年に入ってコロナの影響でより厳しい局面にあります。


長い不景気が続き、まさに変革が求められる日本の経済において、ある種の従業員の社会保障を担ってきた会社のあり方が大きく変化しているといっていいでしょう。


次々と黒字リストラを行う企業の目的は大きく分けるとこの2つではないでしょうか。

①人件費削減

②将来目線での事業構造改革




人件費削減は簡単なことです。

能力の低い社員に辞めて貰えば、その分給料が浮いて経営のスリム化が図れます。

特に、年功序列の給与体系を取ってきた日本企業にとって、歳の分給料が高いだけの「働かないおじさん」を切れるのはかなりのメリットを享受できます。


これからのAI/IoT/ビッグデータ時代に備えて、企業も既存の事業の見直しを行っています。

その中で、いらない部門やいらない社員というのが必ず浮き彫りになりますよね。

企業はこれらの「いらない」を切り捨て、新しい時代に適合する事業や社員を欲しがっているのです。
その意味での黒字リストラもあるということですね。

人間が働かない時代

上では、これから、いらない人材がリストラされ、その分いる人材が補充されるというようなニュアンスになっていたかもしれません。

しかし、補充されるのはロボットかもしれません。

というより、企業は既にロボットと人を入れ替えるためにリストラをしているという指摘もできます。

これからAIがより高度化すれば、確実にロボットにさせた方がいい業務は増えてくるでしょう。

継続的に給料を支払わねばならず、「セクハラ」「パワハラ」「男女トラブル」など面倒ごとを発生させる人より、ロボットにドンっと初期投資した方がよっぽど合理的と判断する経営者は絶対に増えてくるはずです。

では、この黒字リストラ時代を生き抜くには自分がどのような人材になるべきか自ずと決まってくるような気もします。

仕事に辛さを感じることはすごく分かりますが、少なくとも、職場への不満を日々愚痴っていて、働く意欲を失っている人は、経営者から見たらすぐにでもロボットに変えたいと思うんじゃないでしょうか。

会社は今後どんどん、ある意味冷酷になっていきます。

「社員は家族」とは思ってくれません。

じゃあ、自分も今の会社のためにでなくて、自分のためにスキルを身につけたり、将来有望な会社に転職したりという策をとるべきではないでしょうか。

まとめ

過去の記事では、今後転職市場が拡大する、転職が普通になる、ということを書いていましたが、逆に、これまで書いたように会社側から社員を切るリストラも普通になってくるでしょう。

社員が会社に忠誠を尽くしたり、縛られたりする時代は終わりました。

ジョブ型雇用の記事も書きましたが、自分の「ジョブ(スキル)」を基準に社会人ライフを送っていただければと思います。


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